パート・アルバイトの厚生年金加入条件とメリット

年金のイメージ

はじめに:厚生年金加入のハードルが下がった背景

かつて「厚生年金は正社員だけが対象」というイメージがあり、パートやアルバイトは国民年金のみというケースが一般的でした。しかし、少子高齢化による年金財政の課題や非正規雇用の増加を背景に、厚生年金の適用範囲は徐々に拡大されています。特に2016年以降は、短時間労働者でも条件を満たせば厚生年金に加入できるようになり、2022年・2024年と段階的に対象が広がってきました。

今や「週20時間程度の勤務」でも加入できる可能性があり、老後の年金額を増やす大きなチャンスになっています。本記事では、パート・アルバイトの厚生年金加入条件やメリット・デメリットを整理し、賢い働き方の選択肢を考えます。

1. 加入条件(週の労働時間・勤務日数など)

短時間労働者が厚生年金に加入できる条件は、次の基準で判断されます。

  • 週の労働時間が20時間以上。
  • 月額賃金が88,000円以上(年収換算で約106万円以上)。
  • 勤務期間が2か月以上見込まれる。
  • 学生でないこと。

これらを満たせば、正社員でなくても厚生年金に加入できます。従来の「1日8時間・週5日勤務」といった正社員基準ではなく、柔軟な条件になっているのが特徴です。

💡短時間勤務でも条件を満たせば厚生年金に加入でき、将来の年金額に直結します。

2. 106万円の壁と130万円の壁

パート・アルバイトでよく耳にするのが「106万円の壁」「130万円の壁」です。

区分 基準 内容
106万円の壁 年収106万円超 従業員数101人以上(2024年10月以降は51人以上)の企業で働く場合、
厚生年金・健康保険に強制加入となり社会保険料の負担が発生。
小規模企業なら扶養のままで保険料負担なし。
130万円の壁 年収130万円超 勤務先規模にかかわらず扶養から外れる基準。
自分で社会保険に加入し、保険料を負担する必要がある。

働き方を考える際には、この「壁」を意識してシフト調整をする人も多いですが、長期的なライフプランでは厚生年金に加入するメリットを重視する選択もあります。

💡「106万と130万の壁」は勤務先規模や扶養条件で意味が異なります。短期的な手取りよりも、厚生年金加入による将来の安心を重視しましょう。

3. 加入できる事業所の規模条件

厚生年金への加入は、働く事業所の規模にも影響されます。

  • 従業員数が51人以上の企業に勤務している場合、条件を満たせばパートやアルバイトでも加入対象。
  • 50人以下の中小企業でも、今後は対象拡大が検討されています。

つまり、大企業や中規模企業では加入しやすく、今後はより幅広い事業所に対象が広がる見込みです。

💡勤務先の規模も厚生年金加入条件のひとつ。就職先を選ぶ際には事業所の規模も確認しておくと安心です。

4. 厚生年金に加入するメリット(将来の年金額増加)

厚生年金に加入する最大のメリットは、将来の年金額が増えることです。

  • 国民年金(基礎年金)のみ → 年間約80万円(月6.6万円程度)。
  • 厚生年金に数年間でも加入 → 収入に応じて年金額が上乗せされる。
  • 長く加入すればするほど上乗せ額は大きくなる。

例えば、10年間厚生年金に加入し月収10万円程度だった場合でも、将来の年金額は年間数万円以上増加します。「少ししか働いていないから意味がない」と思われがちですが、老後の収入源を少しでも増やす意味は大きいのです。

💡短期間の加入でも将来の年金額に上乗せされるため、長期的に見れば大きな差につながります。

5. 健康保険加入のメリット

厚生年金に加入すると同時に、健康保険(社会保険)にも加入します。これにより、次のメリットが得られます。

  • 医療費が3割負担になる。
  • 傷病手当金や出産手当金といった給付が受けられる。
  • 高額療養費制度の対象となる。

国民健康保険と比べて保障が手厚く、特に働きながら病気や出産に直面した場合に安心感が大きい制度です。

💡厚生年金に加入すると同時に、医療・休業補償の制度も利用できる点は大きな安心材料です。

6. 保険料負担のデメリット

もちろん、厚生年金に加入すると保険料の自己負担が発生します。

  • 厚生年金の保険料率は給与の約18.3%ですが、事業主と折半されるため本人負担は約9.15%
  • 月収10万円なら約9,150円の自己負担。

「手取りが減る」というデメリットはありますが、将来の年金増額や健康保険の保障を考えると、コスト以上のメリットが期待できます。

💡短期的な「手取り減少」はデメリットですが、長期的には年金増額や医療保障というリターンがあります。

7. 将来のライフプランに与える影響

厚生年金に加入するかどうかは、ライフプラン全体に影響します。

  • 老後の受給額が増えるため、生活の安定につながる。
  • 健康保険の保障を得られるため、病気や出産のリスクに備えられる。
  • 扶養から外れると家計全体のバランスが変わるため、夫婦での収支計画を立て直す必要がある。

短期的な「手取り減少」よりも、長期的な「老後の安心」を重視するかどうかがポイントです。

💡目先の負担よりも、ライフプラン全体の安定性を重視して判断することが重要です。

8. 賢い働き方の選択例

具体的にどのように働き方を選ぶと良いのでしょうか。

  • 壁の内側で働く:扶養を維持しつつ働きたい人は年収106万円や130万円を意識。
  • 壁を超えて働く:厚生年金に加入し、将来の年金額や社会保険のメリットを重視。
  • 長期的視点で考える:老後資金を増やしたい人は、厚生年金加入を前提に働き方を選ぶ方が有利。

「今の生活の手取り」か「将来の安心」か、家庭の状況や価値観に応じて賢い選択をすることが大切です。

💡「壁」にとらわれず、将来の安心と家庭の状況に応じて柔軟に働き方を選ぶのがポイントです。

まとめ:条件を満たすなら厚生年金加入を検討

パートやアルバイトであっても、一定の条件を満たせば厚生年金に加入できる時代になっています。

  • 週20時間以上、月収8.8万円以上なら加入の可能性あり。
  • 106万円・130万円の壁をどう考えるかが重要。
  • 加入すれば将来の年金額が増えるだけでなく、健康保険の保障も受けられる。

目先の保険料負担はデメリットですが、老後の安定と医療保障を考えると、加入する意義は大きいといえます。条件を満たすなら、厚生年金加入を積極的に検討し、ライフプランに合わせた働き方を選びましょう。

💡厚生年金加入は「将来の安心」を得るための大切な選択肢。条件を満たすなら積極的に検討を。

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