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リースバックとは?家を売っても住み続けられる仕組み

リースバックのイメージ

はじめに:家を売っても住み続けるという選択肢

「住宅ローンの返済が苦しい」「急な資金が必要になった」そんなとき、自宅を売却して現金化するという選択は一般的です。 しかし、売却後に別の住まいを探すとなると、引っ越し費用や住環境の変化など、負担が大きくなることもあります。 そんなときに注目されているのが、「リースバック」という方法です。

リースバックを使えば、自宅を第三者に売却して資金を得ながらも、そのまま賃貸として同じ家に住み続けることができます。 高齢者の生活資金確保、離婚や相続の際の資産整理、事業資金の確保など、さまざまな場面で活用されている柔軟な仕組みです。

1. リースバックとは?仕組みと基本的な流れ

リースバック(英語:sale and leaseback)とは、所有している不動産を売却し、その買主と賃貸契約を結んで、引き続きその家に住み続ける仕組みのことです。 売却と同時に賃貸借契約を結ぶのが特徴で、次のような流れで進みます。

基本的な流れ:

  • 不動産会社などにリースバックの相談をする
  • 査定・契約条件の提示(売却価格・家賃など)
  • 売買契約と賃貸借契約を同時に締結
  • 売却代金を受け取り、自宅にそのまま居住
  • 賃貸として家賃を支払いながら住み続ける

多くのケースでは、将来的に再び買い戻す権利(買戻し特約)を付けることも可能です。

💡 リースバックは「売却」と「賃貸契約」がワンセット。売ったその日からそのまま住み続けられるのが最大の特徴です。

2. どんな人が利用している?主な利用ケース

リースバックは誰にでも利用できる制度ですが、特に以下のようなケースで活用されることが多いです。

  • 住宅ローン返済に困っている人:ローンを完済できない状況でも、売却益で一部返済しながら住み続けられます。
  • 老後資金を確保したい高齢者:年金だけでは生活が苦しいが、引っ越しは避けたいという人に適しています。
  • 離婚・相続などで不動産を整理したい人:家を現金化しながらも一時的に住み続けたい場合。
  • 事業資金が必要な個人事業主や経営者:不動産を担保にせず、直接売却することで運転資金を得る方法として。

このように、資金ニーズと住まいの確保を同時に解決したい人々にとって、リースバックは非常に魅力的な選択肢です。

💡 リースバックは「引っ越したくないけど資金が必要」な人のための仕組み。高齢者や個人事業主にもニーズが高まっています。

3. リースバックのメリット:資金調達と住環境の維持

リースバックの最大の利点は、「今の家に住みながらまとまった資金を得られること」です。具体的なメリットは以下の通りです。

  • 資金を一括で受け取れる:売却によって得た資金を老後の生活資金や借金返済にあてられます。
  • 住環境の維持:子どもの学校、通勤、近隣関係などを変えることなく生活を続けられます。
  • 引っ越し費用不要:住み続けるため、引越しや新居の初期費用が不要です。
  • 再購入も可能:契約によっては、一定期間後に家を買い戻すことも可能です。
  • 相続対策にも活用可能:資産を現金化して分配しやすくなるため、相続トラブルを防ぐ手段としても有効です。
💡 リースバックは「住み慣れた家に住みながら資金調達」ができる数少ない手段。引っ越しの負担を避けたい人に特に有効です。

4. リースバックのデメリットとリスク

一方、リースバックには以下のようなデメリットやリスクも存在します。

  • 売却価格が市場価格より低めになりやすい:通常の売却より条件が限られるため、価格が下がることがあります。
  • 家賃が高めに設定されることがある:売却額とのバランスで、賃料が相場より高くなる場合があります。
  • 長期間の居住が保証されない:契約期間終了後、更新できない場合もあり、将来的に退去を求められる可能性があります。
  • 再購入価格が高額になることもある:買戻し契約をしていても、再取得には相応の費用がかかる場合があります。
  • 信用情報に影響を与えるケースもある:ローン延滞中に売却した場合、信用情報に傷がつくこともあります。

メリットばかりでなく、リースバックは「一時しのぎの手段」になりやすい点にも注意が必要です。

💡 リースバックは便利な制度ですが「永住できる」とは限りません。将来の住まいも視野に入れた計画が重要です。

5. リース料や再購入の条件はどう決まる?

リースバックにおける家賃(リース料)は、売却価格や地域の賃料相場、契約期間の想定などをもとに決定されます。売主にとって無理のない支払いでありつつ、買主にとっても投資として成り立つように設計されるのが一般的です。

  • 賃貸契約の期間:多くは2年契約で、更新可能なケースが一般的。ただし、短期契約や定期借家契約の場合もあるため要確認。
  • 再購入の価格設定:契約時に買戻し価格が決められていることもあります。通常は売却価格に手数料や一定の利息が上乗せされる形になります。
  • 家賃の値上げルール:更新時に家賃が上昇する可能性もあるため、値上げの上限や頻度について契約前にチェックしましょう。

契約条件は事業者ごとに異なるため、リース料の妥当性や将来的な負担をよく確認したうえで契約を結ぶことが重要です。

💡 「買い戻せると思っていたのに、価格が想定より高かった…」というケースも。再購入の条件は契約書で明記されているか、必ず確認しましょう。

6. 他の制度・手段との違い(任意売却・リバースモーゲージなどと比較)

リースバックは、住みながら資金を確保する手段として注目されていますが、同様の目的を持つ制度に「任意売却」や「リバースモーゲージ」もあります。それぞれの特徴を比較することで、自分に合った選択がしやすくなります。

制度名 概要 メリット デメリット
リースバック 家を売却し、そのまま賃貸として住み続ける 資金調達と住環境の維持が両立可能 家賃負担が続く、契約更新に制限がある
任意売却 債権者と交渉し、競売を避けて売却する 競売より高く売却できる、柔軟な交渉が可能 引っ越しが必要になる、住み続けられない
リバースモーゲージ 高齢者が自宅を担保に融資を受け、死後に精算 死ぬまで住み続けられる、売却不要で資金調達 年齢・地域・物件の制限が多く、条件が厳しい

このように、どの制度にも一長一短があります。住み慣れた家に住み続けたいのか、借金整理を優先したいのか、高齢者向けの制度が利用可能かなど、状況に応じて最適な選択を検討することが大切です。

💡 リースバックは柔軟性が高い一方、リバースモーゲージや任意売却の方が適しているケースもあります。目的と将来設計に応じて制度を選びましょう。

7. リースバックの注意点とトラブル事例

リースバックは便利な仕組みですが、実際には以下のようなトラブル事例も報告されています。

  • 買主が不動産投資目的で契約破棄を希望する:契約期間満了後に退去を求められる。
  • 再購入の条件が不明確:買い戻そうと思ったら予想以上の金額を提示される。
  • 契約書に不利な条項が含まれていた:賃料の自動増額や途中解約の罰則など。

これらのリスクを避けるには、契約前にしっかりと説明を受け、書面で条件を確認し、不明点があれば第三者(弁護士、司法書士、ファイナンシャルプランナーなど)に相談することが重要です。

💡 契約書は必ず隅々まで確認を。専門用語が多い場合は、信頼できる専門家に同席してもらうのがおすすめです。

8. 信頼できる業者の選び方と相談先

リースバックは専門性の高い取引であり、業者選びを誤ると不利な条件で大切な自宅を手放すことになりかねません。信頼できる業者を選ぶ際のポイントは以下の通りです。

  • 実績が豊富で、リースバック専門の部署や担当者がいるか
  • 契約条件や再購入の可否を明確に説明し、質問にも丁寧に答えてくれるか
  • 売却後のサポート体制(再購入サポート、住み替え支援など)が整っているか
  • 不透明な手数料請求や強引な営業行為がないか

また、国や自治体、弁護士会、NPO法人などが設ける住宅ローン問題やリースバックに関する無料相談窓口も活用しましょう。中立的な視点でアドバイスが得られるため、冷静に判断する材料になります。

💡 比較検討は必須!複数の業者から見積もりを取り、条件や説明の丁寧さを比べることで、後悔のない選択ができます。

まとめ:リースバックは「家に住み続けるための最終手段」か?

リースバックは、生活資金を確保しながら、現在の住まいに留まりたいというニーズを満たす現実的な選択肢です。しかし、すべての人にとって「最善」とは限らず、将来の家賃負担や契約内容の不確実性といった側面も見逃せません。

リースバックを選ぶ前に、以下のポイントをしっかり検討しておきましょう。

  • 本当に必要な資金なのか
  • 他の手段(任意売却、リバースモーゲージなど)では対応できないか
  • 今後の生活設計と矛盾しないか

これらを踏まえたうえで、「売っても住み続ける」というライフプランの一手として、リースバックを検討してみる価値は十分にあるといえるでしょう。

💡 迷ったらまず相談。住宅を資金化する選択肢は複数あります。プロと一緒に、自分に合った方法を見つけましょう。

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