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不動産購入でよくあるトラブルと対策集

不動産購入時のトラブルを心配する人のイメージ

はじめに

不動産の購入は、多くの人にとって人生で最も高額な買い物のひとつです。しかしその大きな買い物であるがゆえに、あとから「こんなはずじゃなかった…」と後悔するトラブルも後を絶ちません。

契約内容の理解不足、説明の不備、見えないリスク、そして確認不足。トラブルは契約前から引渡し後まであらゆる場面で起こり得ます。

本記事では、実際によくあるトラブル事例をフェーズごとに紹介しながら、それぞれに有効な対策を解説していきます。

1. 契約前のトラブル(重要事項説明・告知漏れなど)

不動産取引では、契約の前に宅建士から「重要事項説明書(35条書面)」の説明を受けますが、この内容が不十分だったり、意図的な告知漏れがあると後々大きなトラブルになります。例えば以下のようなケースです。

  • 前居住者が孤独死していたが説明されていなかった(心理的瑕疵)
  • 接道条件を満たさず再建築不可だった
  • 近くに騒音施設(工場・線路)があったが告知されなかった

対策:
重要事項説明書は専門用語が多く複雑ですが、事前にコピーをもらい、疑問点は遠慮なく質問しましょう。また、説明時に録音を取る、確認したことをメモするなど記録を残すことが有効です。

💡 不動産会社任せにせず、「自分でも調べる姿勢」がトラブル回避の第一歩です。

2. 契約後のキャンセル・違約金をめぐる問題

契約書に署名捺印してしまうと、原則キャンセルはできません。やむを得ずキャンセルする場合でも、手付金の放棄や違約金の支払いが必要になります。例えば…

  • 家族の反対で購入を断念したが、違約金として数百万円の請求を受けた
  • 契約書に「売主の都合による解約時は違約金不要」と書かれておらず損をした

対策:
契約前に「解約時の条件」「違約金の金額」「手付解除の期限」などをしっかり確認しましょう。迷いがある状態で契約しないこと、慎重な判断が重要です。

💡 契約書は「読み飛ばさずに理解する」ことが大切。不安があればFPや弁護士に相談を。

3. 手付金・頭金に関する誤解と金銭トラブル

不動産購入では、契約時に「手付金」を支払い、住宅ローン審査後に「頭金」を入金するという流れが一般的です。しかし、支払時期や性質の違いを誤解して金銭トラブルになるケースがあります。

  • ローンが通らなかったのに手付金が返ってこない
  • 頭金を払った後に契約破棄となり、全額戻らなかった

対策:
手付金と頭金は性質が異なります。特にローン特約(住宅ローンが通らなかった場合に契約解除できる条項)が付いているか確認しましょう。契約書と特約の内容は細部まで読み込む必要があります。

💡 「頭金は戻る」「手付金は必ず返金される」などの思い込みは禁物。契約書の一文が運命を分けます。

4. 住宅ローン審査に関する行き違い

事前審査が通ったからといって安心してはいけません。本審査で否認されるケースも珍しくなく、特に以下の点に注意が必要です。

  • 借入額が希望額より下がり、頭金不足に
  • 別のローン(自動車、奨学金)を申告していなかった
  • 勤務先変更や収入減少で審査に落ちた

対策:
正確な情報を金融機関に申告し、事前審査から本審査までの期間中は大きなライフイベント(転職・借入など)を避けましょう。ローン特約があれば、審査不承認時にペナルティなく解約できる場合もあります。

💡 「事前審査=通過確定」ではありません。本審査までは生活や信用に慎重になるべき時期です。

5. 引渡し時の瑕疵(雨漏り・設備故障など)

物件の引渡しを受けたあとに、以下のような不具合が発覚することがあります。

  • 雨漏り、給湯器の故障、床の沈み
  • 配管の劣化や白アリ被害
  • エアコンなどの付帯設備が動作しない

対策:
契約書には「引渡し時点での現況優先」「瑕疵担保責任」などの条項があります。中古住宅の場合はインスペクション(住宅診断)の実施をおすすめします。付帯設備表も細かくチェックしましょう。

💡 不具合の発見は「引渡し後では遅い」ことも。事前の確認と書面による証明が安心につながります。

6. 境界・越境・私道の通行権など土地に関する問題

特に戸建てや土地購入では、以下のような問題が後から発覚することがあります。

  • 塀や樹木が隣地にはみ出している(越境)
  • 境界標が不明で隣地とトラブル
  • 私道に接しているが通行・掘削の権利がない

対策:
境界については「確定測量図」や「筆界確認書」を確認し、不明確な場合は現地で立会い調査を依頼しましょう。私道の場合は通行・掘削承諾書の有無を確認することが不可欠です。

💡 土地の「見た目」だけで判断せず、法的な権利関係を確認することが後のトラブル回避に直結します。

7. 近隣住民とのトラブル(騒音・ゴミ・ペットなど)

物件自体に問題はなくても、購入後に隣人や地域のトラブルに悩まされるケースがあります。

  • 隣の住人の騒音やゴミ出しマナー
  • 管理組合のルールが厳しく暮らしづらい
  • ペット可物件だが実際は苦情が多い

対策:
内見時や平日・夜間に物件周辺を歩いてみて、住環境を自分の目と耳で確認しましょう。また、管理規約や組合のルールも事前に確認しておくと安心です。

💡 「物件」より「地域」や「人間関係」が住み心地を左右することも。現地調査は念入りに。

8. 中古物件特有の問題(残置物・修繕履歴の不備)

中古物件では、前の所有者の生活の痕跡や設備の老朽化が問題となることもあります。

  • 残置物(家具・家電)が放置されていた
  • 修繕履歴がなく、メンテナンス状況が不明
  • 見えない部分(配管、断熱材)の劣化

対策:
残置物については契約書に明記しておくこと。修繕履歴や管理記録があれば必ず確認し、なければリスクを見積もる必要があります。場合によっては追加のリフォーム費用も計算しておくべきです。

💡 残置物や修繕履歴は、後悔のない購入のカギ。契約書と現地確認でトラブルを防ぎましょう。

9. 不動産会社との連絡不備・説明不足による混乱

最後に、不動産会社とのコミュニケーション不足からくるトラブルも多く報告されています。

  • 連絡が遅れ、ローン審査の期限に間に合わなかった
  • 言った・言わないのトラブルが発生した
  • 契約内容と説明が食い違っていた

対策:
重要なやり取りはできる限りメールや書面で行い、記録を残すことが肝心です。不動産会社任せにせず、主体的に確認・質問をする姿勢もトラブル回避には不可欠です。

💡 「信じる」より「記録する」。やり取りは証拠として残すのが鉄則です。

まとめ:契約内容・現地確認・記録がトラブル防止の鍵

不動産購入におけるトラブルは、「確認不足」「思い込み」「連絡ミス」から起こることがほとんどです。専門的な用語や複雑な契約内容に対して、わからないまま進めてしまうのは危険です。

自分でしっかりと情報を集め、現地を見て、記録を取り、必要があれば専門家のアドバイスを受けましょう。

「高い買い物だからこそ慎重に」。この一言に尽きます。事前にトラブルを知り、備えることで、安心・納得のマイホーム購入が実現します。

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