
はじめに
マイホーム購入は、多くの人にとって人生最大の買い物です。だからこそ、少しでも費用を抑えたいというのは当然の考え。しかし、「実は使える補助金があったのに知らずに逃してしまった…」というケースも珍しくありません。
本記事では、国や地方自治体が提供する不動産購入時の補助金・助成制度を体系的に整理し、地域別・属性別の活用ポイントも含めて解説します。
1. 国が用意する代表的な住宅取得支援制度
国レベルで用意されている制度は、広く多くの人が活用可能です。特に以下の制度は知っておきたい代表例です。
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)
住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、年末のローン残高の一定割合を所得税から控除できます(最大13年間)。省エネ基準を満たす新築住宅などはより有利な控除が受けられることもあります。
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置
両親や祖父母からの住宅取得資金について、一定額まで贈与税が非課税となる制度。2024年時点では、省エネ基準を満たす住宅で最大1,000万円まで非課税となります。
2. 省エネ住宅への支援制度
近年、エネルギー効率の高い住宅への支援が手厚くなっており、以下のような制度が活用可能です。
ZEH補助金(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)
高断熱・高効率設備を導入し、エネルギー消費を実質ゼロにする住宅(ZEH)に対し、1戸あたり55万円以上の補助金が支給される制度。
子育てグリーン住宅支援事業
すべての世帯を対象に、「高い省エネ性能を有する新築住宅の取得」や「住宅の省エネリフォーム」等に対して補助金が交付される国の制度です。子育て世帯・若者夫婦世帯には補助上限の優遇があります。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
既存住宅を性能向上リフォームすることで、補助金が交付される制度。購入後にリフォームを前提とした場合には特に有効です。
3. 各自治体の独自支援制度
国の制度に加え、市区町村ごとに独自の補助金や助成金を用意しているケースがあります。内容は地域によって大きく異なり、以下のようなタイプが代表的です。
- 子育て世帯への住宅取得支援金
- 空き家の取得・改修に対する補助金
- 地元企業との建築契約に対するインセンティブ
- 地域移住促進のための定住支援金
4. 地域別:主要自治体の具体例と検索のコツ
全国には1,700を超える自治体があり、それぞれ異なる支援制度を持っています。以下は代表的な都市の一例です。
東京
大阪
地方都市(例:長野県)
5. 年齢・世帯属性別に異なる支援内容
補助金・助成制度は、年齢や家族構成によって対象や内容が異なります。以下は代表的な属性ごとの支援内容です。
子育て世帯
- こどもエコすまい支援事業など、省エネ住宅取得に対する補助
- 自治体による出産・育児支援を兼ねた住宅取得支援金
若年世帯(概ね39歳以下)
- 多くの自治体で住宅取得補助の対象に
- 低利融資や利子補給制度が用意されているケースも
高齢者・単身世帯
- 住宅購入そのものに対する補助は少なめ
- バリアフリー改修などのリフォーム補助が充実
移住者(地方移住・Uターン)
- 空き家取得補助やリノベーション支援が多数
- 国の移住支援金制度
6. 併用可能な制度とその注意点
複数の補助制度を上手に組み合わせれば、経済的な負担を大きく軽減できます。ただし、併用には注意点があります。
- 併用不可のケースもある
対象内容が重複すると併用できないことがあります。 - 申請順に注意
ある補助金を先に受けると、別の制度の対象外になる場合があります。制度ごとの申請要件と順番を事前に確認しましょう。 - 年度予算に依存
多くの制度は国・自治体の予算に基づくため、申し込みが殺到すると早期終了することも。早めの行動がカギです。 - 住宅の仕様要件がある
補助対象となるには、省エネ性能や耐震性など一定の基準を満たしている必要があります。施工会社とも相談を。
7. まとめ:最新情報を逃さず賢く補助金を活用しよう
不動産購入時に使える補助金や助成制度は、国・都道府県・市区町村それぞれに存在し、その内容は年々更新されています。「知らずに損をする」ことを避けるためには、自分の属性や住宅の仕様、地域の制度を正しく把握することが何より大切です。
特に地方自治体の制度は意外なほど手厚い場合もあるため、「価格」だけでなく「支援制度込みでの実質的なコスト」を見極める視点が重要です。住宅購入を検討する際は、必ず最新の制度情報を調べ、賢く制度を活用して、後悔のないマイホーム取得を実現しましょう。