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団地は今どうなのか?古くて新しい住まい選び

団地のイメージ画像

はじめに

高度経済成長期に次々と建設され、多くの人々に「新しい暮らし」をもたらした団地。広々とした敷地、整然と並ぶ住棟、公園や商店街を備えた計画的な街並みは、昭和の理想的な住宅地として、当時の若い家族を中心に圧倒的な人気を集めました。

しかし時代が進むとともに、そのイメージは一変。「古くて不便」「エレベーターがない」「高齢化が進んでいる」といったネガティブな印象が広まり、いつしか団地は“選ばれない住まい”となっていったのです。

ところが今、団地をめぐる潮目が少しずつ変わってきています。リノベーションによって魅力を取り戻す住戸、自然や緑に囲まれた落ち着いた環境、コミュニティの再生。こうした流れに乗り、若い世代や単身者、子育てファミリーまで、多様な層が「団地」を選び始めているのです。

本記事では、団地の成り立ちや特徴、再評価の背景からメリット・デメリット、どんな人に向いているかまで、現代の視点で団地という住まいを改めて考察します。古くて新しい“団地”という選択肢に、あなたも目を向けてみませんか?

💡 団地は「時代遅れの住まい」ではなく、今の暮らし方に合った“再定義されたライフスタイル”です。

1. 団地とは?成り立ちと特徴

団地とは、国や自治体、住宅供給公社などが計画的に建設した集合住宅のこと。1950年代から70年代にかけて全国に整備され、住棟・道路・公園・商店街といったインフラを一体的に設計するのが特徴でした。

建物は主に中層(4〜5階建て)で、鉄筋コンクリート造のシンプルな外観が多く見られます。エレベーターのない「階段室型」が主流であり、バルコニーや風通しのよさ、南向きの住戸配置が基本設計として採用されていました。

周囲にゆとりのある緑地を配置し、子どもたちが安心して遊べる環境や、住民同士が自然と顔を合わせる設計も特徴です。いわば「街ごとデザインされた住宅地」として、当時の最先端を体現した存在でした。

2. 団地が再評価されている理由

一時は“古いだけの住宅”として見られていた団地が、なぜ今また注目を集めているのでしょうか?再評価の背景には、以下のような複数の要因があります。

リノベーションによる再生

築50年を超える団地も増えていますが、室内をフルリノベーションすれば、現代のライフスタイルに合った空間が生まれます。無垢材の床やオープンキッチン、ワークスペースを設けるなど、リノベ済み物件はむしろ“おしゃれで快適”と若い世代からの評価も高まっています。

賃料・価格の手頃さ

駅近や自然豊かな環境にもかかわらず、価格や家賃は新築マンションの半分以下というケースも多く、経済的に無理のない暮らしが可能です。「背伸びせず、自分らしい暮らしを実現できる」といった価値観とも親和性が高いのです。

コミュニティの再構築

かつての「向こう三軒両隣」的な関係性が復活しつつある団地も。自治会や子育てサロン、高齢者支援の取り組みなど、地域で支え合う仕組みが再評価されています。孤独になりがちな都市生活の中で、団地ならではの“ゆるやかなつながり”に価値を感じる人が増えているのです。

💡 団地の再評価は「コスト」だけでなく、「暮らしの質」や「人とのつながり」を求める価値観の変化を反映しています。

3. 団地に住むメリット・デメリット

団地には魅力がある一方で、古さゆえの課題も少なくありません。ここではメリットとデメリットを整理してみましょう。

メリット

  • 家賃・購入価格が安い:
    同じ立地条件でも、新築マンションに比べて圧倒的に安価。初期費用を抑えられます。
  • 緑が多く落ち着いた住環境:
    敷地内に緑が多く、公園や遊歩道が整備されている団地も多いため、子育てや散歩に最適。
  • 建物が低層で階段生活も健康的:
    階段中心の生活が日々の運動になり、高齢者にとっては“自立維持”にも貢献することがあります。
  • DIYやカスタマイズがしやすい:
    古さを逆手にとり、自分好みにリノベーションやDIYすることで、“世界にひとつだけの住まい”に。

デメリット

  • エレベーターがない:
    4〜5階建てでもエレベーターなしが一般的。上階に住む場合、荷物や体力面での負担があります。
  • 築年数が古く、設備に不安がある:
    配管や断熱、給湯設備などが旧式の場合もあり、リフォーム費用がかさむケースも。
  • 高齢化による空室・治安不安:
    高齢化が進み、空室が増えることで防犯面や地域の活気に懸念が出る場合があります。
  • バリアフリー未対応:
    段差や手すりのない共用部が多く、体の不自由な人には不便な造りも。
💡 「団地だから不便」ではなく、「この団地はどうか?」と個別の状況を見ることが大切です。

4. 団地に向いている人・向いていない人

団地は万人向けではありませんが、特定の価値観やライフスタイルを持つ人にはとてもフィットします。

向いている人

  • コストを抑えて無理のない暮らしをしたい人
  • 緑や自然に囲まれた環境で子育てをしたい人
  • コミュニティにある程度関わりたい人
  • リノベやDIYで自分好みの住まいを作りたい人
  • 昭和レトロな雰囲気や空間に魅力を感じる人

向いていない人

  • 最新の設備・機能にこだわる人
  • バリアフリーやエレベーターが必須な高齢者・要介護者
  • 駅直結・都心至近の高利便性を求める人
  • コミュニティよりプライバシー重視の人
💡 団地は「豪華さ」ではなく「価値観」に合うかどうかで選ぶ住まいです。

まとめ:団地は“過去の遺物”ではない、暮らしを見直すヒントに

一見、古びた団地。しかしその裏には、現代人が忘れかけていた「暮らしの本質」があります。便利さや新しさを求める一方で、手の届く価格、緑あふれる環境、人との程よいつながり、そして自由な住まい方──これらを求める人にとって、団地は再び魅力的な選択肢になりつつあるのです。

もちろん、すべての団地が理想的というわけではありません。築年数や管理体制、住民構成、アクセスなど、個別に慎重な見極めは必要です。しかし「団地=古い=ダメ」という先入観を手放せば、思わぬ暮らしの可能性が広がるかもしれません。

住まいを“スペック”ではなく、“暮らし方”から選ぶ時代。団地はその問いかけに、静かに応えてくれる存在なのです。

💡 団地を選ぶことは、「今の自分にとって、本当に大切な暮らしとは何か?」を見つめ直すことでもあります。

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